top of page
yusuke-jimbo

蘭陵王

前回の記事の最後に「これからもこのブログをご愛読ください」とか書いておきながら1ヶ月以上も新しい記事を書いていませんでした。久しぶりのブログは現在視聴している中国ドラマ「蘭陵王」について書こうと思います。全46話あるうち19話まで見ました。以下多少のネタバレを含みます。





中国南北朝時代、斉の皇族にして名将の高長恭(蘭陵王)を主人公にした歴史、恋愛ドラマです。

日本語版吹き替えは「三国志 Three Kingdoms」 では呂布役、「項羽と劉邦 King's War」では項羽役の内田夕夜氏が主人公高長恭を、ヒロインの楊雪舞は人気歌手、声優の水樹奈々さんが担当しています。内田夕夜氏は呂布や項羽を演じていたときとかなり声色と性格を変えており、演技の幅を感じさせます。


高長恭の名前を初めて知ったのは中学時代。歴史シュミレーションゲーム三国志Ⅷのいにしえ武将(隠しキャラ)に高長恭が登場したときです。それまで三国志と楚漢戦争くらいの知識しかなかった私はその時に白起、楊大眼、霍去病などの名前も知りました。


今まで中国の歴史ドラマをいくつか見てきましたが、この「蘭陵王」は19話時点で一番と言ってもいいくらい面白い作品です。CGがかなり多様されていたり、中国の南北朝時代とは思えないような派手な衣装、セットは韓国の歴史ドラマみたいですが内容は本当に面白いと思います。もちろん物語のほとんどは創作です。史実を大幅に変えていたりしますが、三国志や楚漢戦争では変更に抵抗のある人でもあまり気にならないのではないでしょうか。恋愛ドラマ、時代劇として見るなら大変楽しめます。また史実通りの展開にならないことにより、先が読めなくなっているのもいいところだと思います。大河ドラマなんかでも、歴史を知っていると誰がどこで死ぬとか、逆にこの人はここでは死なないとか、戦争でどちらが勝つとか展開がわかっているので楽しみが減ってしまいます。もちろん視聴者が展開を知っている前提でどうおもしろく描くかを考えているのが大河ドラマであると思うのですが、その場合題材が有名であればあるほど興味を惹かせやすい分描き方が難しいというジレンマに陥ります。

そういう意味では蘭陵王は日本ではそれほど知名度はなく、創作や脚色がしやすいので物語としてはとても面白く描けるのだと思います。三国志などと違って描き方にこだわりを持っている視聴者もあまりいないでしょうし。


以前ネットで、ある超有名ギター曲を最近の若手が弾かないのは自分が下手なのがバレるからではないか?と疑問を投げかけていた方がいました。そんな若手奏者はほとんどいないと思うのですが、確かに過去の大家の名演が頭に強く残っている人の前でその曲を弾くと「下手」扱いされたり「音楽をわかっていない」と言われることも多々あるので、大河ドラマで人気があり有名な主人公を扱うのと似た現象なのかなとふと思いました。


この「蘭陵王」では今のところ主人公高長恭のライバルにあたる周皇帝・宇文邕(うぶんよう)が一番好きです。演じるのはダニエル・チャンという俳優で、日本の俳優の唐沢寿明さんにそっくりです。この宇文邕は顔も性格もポジションも「白い巨塔」で唐沢寿明が演じた財前五郎にめっちゃくちゃ似ており、白い巨塔を見ているようで楽しめます。政敵の宇文護に「私を狼に育ててくれて感謝するぞ」と言ったり忠臣の尉遲迥(うつちけい)を自らの手で殺めなければいけなかった後で「・・・非力な朕を許せ!!」と涙を流すシーンはものすごくかっこよかったです。ちなみに尉遲迥は史実ではもっと後に死ぬので、「今殺されそうだけどどうせ死なないんだろ」と思っていたところ不意をつかれとても驚きました。ただ白い巨塔の財前五郎は教授になった後に転落していくので、宇文邕もこの先転落していくような嫌な予感がします。もしかしたら最終的に斉を滅ぼすのかもしれませんが。他にも宇文邕の側近宇文神挙や、主人公の弟安徳王・高延宗なども好きです。あと「Three Kingdoms」の呂布よりこの尉遲迥役の俳優のほうが実写の呂布に合っているんじゃないかと思いました。少なくとも僕のイメージでは。


ヒロインの楊雪舞はやっと高長恭と結婚したところですが、「ろくでなしBLUES」の千秋や「ドラゴンクエスト~アベル伝説~」のティアラみたいになりそうでちょっと心配です。現時点でかなりそれに近い性格や要素を持っているので、あまり激しくなると嫌いになりそうです。


先の展開を知らないっていうのはいいですね。それだけ感動やおどろきが増えます。

以前2ちゃんねる系の創作物で後漢の光武帝の物語を読んだときも、最終的に光武帝が勝つことは分かっていても、細部の戦闘ではどちらが勝つのか、誰がどこで死ぬのかはあまり知らなかったので大変わくわくしました。「蘭陵王」もそれに近い楽しみがあります。


次は「蘭陵王」を全話見た後でもう一度このドラマについての記事を書くか、音楽関連の記事を書くかはわかりませんが、ひとまず「蘭陵王」の続きを見たいと思います。

閲覧数:297回0件のコメント

Comments


bottom of page